ミニマリストの小宇宙

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ミニマリストの小宇宙

minimalist's microcosm

大人にもおすすめの児童書「ホテルカクタス」

 

ミニマリスト、シンプルライフ、断捨離、持たない・・・などのキーワードではおそらくヒットしない本を紹介します。児童書です。

 

「ホテルカクタス」江國 香織

価値観の異なる3者の会話が面白い。

 

きゅうり :こだわり皆無。明るい。運動大好き。

2    :真面目で几帳面。お気に入りに囲まれて暮らす。

帽子   :仕事を辞めて、トランクひとつで暮らす。

 

以下、抜粋です。

「やめておくよ」「僕がグレープフルーツジュースを飲むのには理由があるんだ。グレープフルーツなら一年中いつでもあることがわかっているからさ。安心なんだ。これが桃であってごらんよ。秋にはもう飲めなく なってしまう。果物屋にいけば絶対に手に入るものじゃなきゃだめなんだ」

 

きゅうり

「だって、きみはいま、現にいちごを手に入れてるじゃないか」

 

「いつでも手に入る、というところが大事なんだ。きみにはきっとわからないよ」

 

「僕の部屋には骨董はないけど」「でも、盗られたくないものは一杯ある」

 

気に入りの水色の毛布、家族の連絡先を記したアドレス帳、いつもグレープフルーツジュースを飲むコップ・・・。2は、列挙しました。コップが、きれいな、青い切子硝子で出来ていることも、勿論一言つけ加えました。

 

きゅうり

「なんてことだ」「気の毒に」「盗られたくないものがそんなにあったら、心配で仕方がないじゃないか」

 

帽子

「しかし、盗られたくないものが一つもないというのも、気の毒といえば気の毒だな」

 

きゅうり

「僕はちっともかまいませんよ。盗られても平気でいられれば、それにこしたことはないんだから」

 

なかなか考えさせられますね。