ミニマリストの小宇宙

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ミニマリストの小宇宙

minimalist's microcosm

読む者を魅惑する稀代の書―「アラビアの夜の種族」

 

本の紹介です。

日本推理作家協会賞&日本SF大賞受賞作
聖遷暦1213年、偽りの平穏に満ちたカイロ。訪れる者を幻惑するイスラムの地に、迫り来るナポレオン艦隊。対抗する術計、それは大いなる陰謀のはじまりだった。
語られるのは、存在しない物語。13世紀エジプトを舞台とした奇書の登場!

 

エジプト・カイロに迫るナポレオンのフランス艦隊。武力ではとうてい敵わない近代的軍隊の脅威を前に、エリート奴隷アイユーブは、あまりのおもしろさに読むものを魅了してしまうという「災厄の書」をナポレオンに献上することを提案する。

この「災厄の書」、悪名高き教主でさえも、ひとたび読み始めると政務も放り出して読みふけり、暗殺者に囲まれ殺される瞬間まで本のページから目を離さなかったという。

 

「これは誰の目にもとまらぬ刺客、不可視の暗殺者となって、カイロに攻めいろうとする異教徒の愚者どもを滅ぼすでしょう」

作中作のように語られる「災厄の書」の中身と、混迷をきわめるカイロ市内。

何が陰謀か、誰の陰謀か。これは誰の物語か。

最後の一行が、物語にいっそうの深みを与える。

 

2段組650ページの分厚い本ですが、軌道に乗ってからは一気に読みました。これから読む方のために多くは語りませんが、久々に読み終わるのが惜しい一冊でした。