芸術の秋らしく、美術館など行ってみました。
訪れたのは三井記念美術館。 日本橋三井タワーの中にあります。
今は「 驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ 」という特別展をやっていて、明治の名工の作品と、現代のアーティストの作品が展示されています。
「超絶技巧」の名のとおり、どれもものすごい技術で、見れば見るほど驚きます。
館内は撮影禁止ですが、入り口の2点だけは撮影ができます。
こちらは明治の作品。陶磁器なのですが、猫の毛並みまで再現されています。
こちらは現代の作品。生花で型をとったアルミニウムで作っているのだそう。
写真で見たときは髑髏に花冠がついているのだと思っていましたが、実際に見てみると髑髏の部分もすべて小さな花でした。
この他にも、象牙でできたリアルな果物や、鹿の角を削り出した透けそうに薄い桜の花弁、ガラスで再現した水の入った袋、写真のような水墨画、繊細すぎる陶器や革にしか見えない七宝など、すごい作品がたくさんあります。
リアルな虫や蛇や魚もあるのですが、これらは「自在」という可動式フィギュアで、動かすことができるのだそう。動かしている映像が流れていましたが、蛇のヌルヌルした動き方は本物と見紛うほどです。
伊勢海老は正面から見てもすごかったのですが、後ろに回ると尻尾の再現度に驚きます。しかもこれが実際の関節と同じように動くというのですからすごい技術です。
甲冑を作る職人が余暇につくっていたらしい、というのもすごいです。
どの作品も芸が細かくて、もっとよく見ようとしてガラスに頭をぶつけてしまう鈍い音が館内のそこかしこから聞こえてきます。人が頭をぶつける音を聞いているのにそれでも自分もぶつけてしまう、それほど見入ってしまうのです。
じっくり見すぎて目が疲れてしまいましたが、この特別展は本当に見ることができて良かったと思います。
美術館自体が数年ぶりだったのですが、他の美術館にも興味が出てきました。
特別展は12月3日まで。
感想が「すごい」ばかりで芸がないですが、本当に「すごい」のでぜひ見て欲しいです。
美術に詳しくなくても楽しめる展示で、普段美術館にはあまり行かないような人にもおすすめです。
ガラスでできたリアルなペットボトルが、何かの役に立つわけではありません。しかしそれがわたしたちに訴えかけてくるもの、それは必ずしも作家の意図と一致するとは限らないのですが、そのざわめきは普段はなかなか感じることのできない貴重なものであると思います。
今回の美術展では、普段使っていない部分に波が立つような感覚がありました。
芸術とは程遠い暮らしをしていますが、アート作品を見るということには、やはり何か特別なものがあるのだと思います。