この秋冬に訪れたい、13の美術展をご紹介します。
私自身が「気になる・行きたい」というのが基準になっていますが、主要な美術展はほぼ入っていると思います。
順番は、開始日が早い順にしています。
- カラヴァッジョ展
- シンコペーション:世界の巨匠たちと現代アート
- コートールド美術館展 魅惑の印象派
- 生誕120年 川端康成と美のコレクション展
- バスキア展 メイド・イン・ジャパン
- オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち
- ゴッホ展
- 建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展
- ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史
- 印象派からその先へー 世界に誇る吉野石膏コレクション展
- ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
- 大浮世絵展 〜歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の共演〜
- 未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか
カラヴァッジョ展
北海道立近代美術館 2019年8月10日(土)~10月14日(
名古屋市美術館 2019年10月26日(土)~12月15日(日)
あべのハルカス美術館 2019年12月26日(木)
札幌・名古屋・大阪でのみ開催のカラヴァッジョ展。東京会場はありません。
さらに一部の作品は各会場でしか見られないとあって、どこへ行くべきか大変悩ましい展覧会となっています。札幌会場では「病めるバッカス」、名古屋会場では「ゴリアテの首を持つダヴィデ」、大阪会場では「ホロフェルネスの首を切るユディト」が公開されます。
シンコペーション:世界の巨匠たちと現代アート
会期:2019年8月10日~12月1日
会場:ポーラ美術館
公式HP:https://www.polamuseum.or.jp/sp/syncopation/
ポーラ美術館で現代アートの展示を行うのは初めてだそう。現代アートと、モネやセザンヌといった巨匠の作品とを呼応するようにいっしょに展示するという実験的な試みが興味深いです。異なる作品同士が奏でるシンコペーション、新しい美術館体験に期待したいです。
コートールド美術館展 魅惑の印象派
会期:2019年9月10日(火)~12月15日(日)
会場:東京都美術館
マネの「フォリー=ベルジェールのバー」をはじめ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガン、モディリアーニ、ドガ、ロートレックなどコートールド美術館の名画が大挙してやってきます。
特集雑誌やムックも複数出ており、注目度の高さが伺えます。
同館では「伊庭靖子展 まなざしのあわい」も開催中。
こちらは10月9日まで。コートールド美術館展のチケット提示で割引があります。
(伊庭靖子展では6点の作品が撮影可です)
生誕120年 川端康成と美のコレクション展
会期:2019年9月14日(土)~11月4日(月)
会場:姫路市立美術館(兵庫県)
公式HP:http://www.city.himeji.lg.jp/art
以下につづく錚々たる美術展と比べるといささか地味に感じられるかもしれませんが、日本人初のノーベル文学賞を受賞した作家・川端康成は、美術愛好家としても知られています。ロダンの手の彫刻を見つめる写真は有名ですね。
古美術から西洋美術、近代美術にまで至るコレクションには草間彌生なども含まれているそうで驚きです。珠玉のコレクションに加え、夏目漱石や谷崎潤一郎といった文豪たちとの書簡、愛用品なども公開。
大型展のような巡回はありませんので、機会があればぜひ訪れたいと思っています。
バスキア展 メイド・イン・ジャパン
会期:2019年9月21日(土)~11月17日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー
公式HP:https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/basquiat/
2019年全体を通して見ても「注目度ナンバーワン」ではないかと勝手に思っております。
普段美術館に全く興味のない層へも広くリーチすることが予想され、混雑は必至ではないでしょうか。日本初の大規模展で、ZOZOTOWN(元?)社長・アート好きでも知られる前澤友作氏が123億円で購入した話題の作品も展示。後日再入場ができるという試み、写真撮影も可でSNS効果も考えると、早めの来場がおすすめです。
当日券は2100円と少し高めの料金設定ですが(音声ガイドが必ずつくからでしょうか)、それでも見たいバスキア。楽しみです。
「Pen」でもバスキア特集。見開き20ページに及ぶ充実の内容です。
オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち
会期:2019年9月21日(土)〜2020年1月13日(月)
会場:横浜美術館
公式HP:https://artexhibition.jp/orangerie2019/
モネの睡蓮で有名な「オランジュリー美術館」より、ルノワール、マティス、ピカソ、モディリアーニ、ローランサンなど約70点の絵画が来日。
同館がコレクションをまとめて貸し出すことは稀で、日本では21年ぶりだそうです。
ゴッホ展
会期:2019年10月11日~20年1月13日
会場:上野の森美術館
シンプルなネーミングの「ゴッホ展」。
「ハーグ派」や「印象派」の画家たちを交えながら、ゴッホがいかにしてゴッホとなったのかをたどるような内容となっているようです。個人的には「糸杉」が楽しみ。
建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展
会期:2019年10月12日(土)〜2019年12月23日(月)
会場:Bunkamura ザ・
公式HP:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/
リヒテンシュタインは、世界で唯一、侯爵家の家名が国名となっている国なのだそう。華麗な絵画や陶磁器は、すべて伯爵家の個人コレクション。
絵画ではヴァルトミュラーの静物画や、ルーベンスやベラスケスの作品も展示されるようです。
ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史
会期:2019年10月19日(土)~2020年1月26日(日)
会場:国立西洋美術館
世界屈指と言われるハプスブルク家のコレクション。みどころはやはりベラスケスでしょうか。
歴史の予習をしておくとより楽しめそうです。
印象派からその先へー 世界に誇る吉野石膏コレクション展
会期:2019年10月30日(水)〜2020年1月20日(月)
会場:三菱一号館美術館
公式HP:https://mimt.jp/ygc/
石膏ボードで日本一のシェアを誇る、吉野石膏株式会社のコレクションが公開されます。ルノワール、モネ、ピサロ、ミレー、ゴッホ、セザンヌ、ドガ、シャガール、カンディンスキーなど、西洋絵画を中心としたその内容は、「画家の歴史がわかる」ほどに充実したものだそう。
これまであまり知られていなかった貴重なコレクションを鑑賞できる機会です。
ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
会期:2019年11月16日(土)〜2020年2月16日(日)
会場:東京都現代美術館
本展覧会では、多義的な意味をもつ「つづく」をキーワードに、ミナ ペルホネンの独自の理念や世界観を紹介するとともに、現代におけるものづくりの意味や、デザインの社会における役割を考察します。
どんな感じになるのかまだわかりませんが、楽しみにしたいと思います。
ミナ ペルホネンのテキスタイル mina perhonen textile 1995-2005
- 作者: ミナペルホネン
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大浮世絵展 〜歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の共演〜
会期:2019年11月19日〜2020年1月19日
会場:東京都江戸東京博物館
喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳の5人にフォーカスし、傑作だけを集めた浮世絵展。「誰もが知っており、そして誰もが見たい」ものになっているとのことで、さながら浮世絵のアベンジャーズです。
展示替えあり。
例えば国芳は、前半に「宮本武蔵の鯨退治」、後半に「相馬の古内裏」となっています。
どちらに行くか、どちらも行くか。悩ましいところです。
未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか
会期:2019年11月19日(火)~2020年3月29日(日)
会場:森美術館
公式HP:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/future_art/
最後はこちら。森美術館らしい展示が来たな、と個人的には感じています。
このタイトルもAIがつけたとのこと。
「これからのライフスタイルや近未来の人間像を考察するための展覧会」、ぜひ見ておきたい展示のひとつです。
ちなみに同館は現在「塩田千春展:魂がふるえる」を開催中。
2019年の来場者数1位になるだろうと言われている展覧会です。私が訪れたときも、閉館間近の時間帯にもかかわらず多くの人でにぎわっていました。
10月27日までの開催となっていますのでこちらもおすすめです。
塩田千春《不確かな旅》
塩田千春《静けさの中で》
塩田千春展:魂がふるえる | 森美術館 - MORI ART MUSEUM
魅力的な美術展ばかりで今から目移りしています。
芸術の秋を楽しみたいと思います。