minimalist's microcosm

ミニマリストの小宇宙

essay

フェアトレードの途上国、ブラック企業の先進国

※ 途上国という言葉はそれだけで思想を含むので避けるべきですが、この記事では便宜上「先進国」「途上国」と呼んでいます。 「フェアトレード」という言葉に違和感がある。 この言葉が、途上国側のシュプレヒコールとして使われるのならばなんの違和感もない…

ファッションは廃れるがスタイルは残る

ファッションは廃れるがスタイルは残る、という言葉があります。 ココ・シャネルが残した名言のひとつです。 Fashion fades, only style remains the same. うまく説明することは難しいですが、言わんとすることはなんとなく分かります。 以下はわたしの解釈…

Omnia mecum porto mea.

何もない部屋にもすべてがある。 どこへ行ってもすべてがある。 なぜならそこに私がいるから。 そういう感覚が理想だ。 「レスイズモア」とか「足るを知る」とかの言葉にも共感するが、私にはそれ以上にしっくりくる言葉がある。 私のものはすべて、体といっ…

パン屋は実際のパン以上にいい匂いがする

パン屋というのはたいへん魅力的ないい匂いがする。わたしはぜひともその「いい匂いのパン」を買って帰りたいと思うのだが、肝心の「いい匂いのパン」が見つからない。 おそらく存在しないのだと思う。あれはきっとパンの匂いではなく、「パン屋の匂い」なの…

ポーランドの鯉

わたしがまだ小さい頃、庭の池には鯉がいて、だからわたしには鯉は特別な生き物だった。人間以外ではいちばん身近な生き物。そしていちばん遠い生き物。絶対的な他者。水のなかに、別の世界にいる。彼らと目が合うことはない。わたしは別の世界を上から眺め…

「シンプルは孤独という贅沢から得られる」

「シンプル」がブームになってずいぶん経ちますが、世間にあふれる「シンプル」にはどこか違和感がありました。とはいえ、シンプルという言葉にはやはり目がいきます。 一時期のように熱心にチェックすることはありませんが、今でもときどき「シンプル」をう…

旬を過ぎた情報は捨てる。常に新鮮でいること

Amazonの欲しいものリスト 非公開日記ブログ 常に新鮮でいること シンプル・ミニマム化の手段としてよく用いられるのが「デジタル化」である。たしかにこれならばかさばらない。 しかしわたしはデジタル化には懐疑的である。データ化して見た目がスッキリし…

冷え性アピールの女

「自称冷え性」の人が少し苦手である。 冷え性であることは辛いだろうし責めるつもりははい。 そうではなくて、「わたし冷え性なのー」ってアピールしてくる人。 他人がどれくらい冷えを感じているか知りようがないというのに、どうして自分は人よりも冷えや…

うっかり捨ててしまったことを死ぬほど後悔した話

捨てて後悔したものは何もない。捨てるつもりで捨てたものについていえばそうだ。 しかし「うっかり」捨ててしまった場合は別である。 これから公開するブログ記事を消してしまった。それも3つである。まったくどうかしている。 あの瞬間のわたしに関して言…

「消費は投票」と言うけれど、1円の格差は1票の格差どころではない

1円の価値は万人に等しいか? 消費は「投票」だが、「普通選挙」ではない 自分目線か、他人目線か 「美人投票」とは 「美人投票」的な消費 消費は投票、の疑問点 1円の格差は、1票の格差どころではないから 1円の価値は万人に等しいか? 1円で何が買えるか、…

誰かのブログが誰かの毎日を変えているかもしれない

人生を変えた一冊の本。一本の映画。 どんなに本を読んでも何も変わらない私はただ羨むばかりだ。 本を読んだくらいで変わるものか。 そんなに素直じゃない。 そんなに純粋じゃない。 本なんかいくら読んだって、どんなすばらしい映画を見たって、外国に行っ…

生きることは後悔を重ねること

astudyinscarlet.hatenablog.com 「葬式ってこんなに明るかったっけ」 真っ白なホールは淡いピンクのバラで飾られ、葬式というより結婚式のようだった。バラの花は故人の希望だそうだ。 時間が経つにつれ、いろいろなことを思い出す。 数ヶ月前、仕事の用件…

みかんの皮とふきのとう

幼い頃、はじめて憧れた「大人」は、みかんの皮をきれいに剥いた。 私のは皮がつながらずボロボロと細かくちぎれた。 どんなにがんばっても、その人のようにひとつなぎに剥くことができない。 大人になったら、できるようになるのだろう。 当時の私にとって…

「捨てられないものには、その人のコンプレックスがあらわれる」説について

「使っていないのに捨てられないものには、その人のコンプレックスがあらわれる」とはよく言ったものです。 おしゃれに見られたいから、着ない服でも捨てられない。 知的に見られたいから、読まない本でも捨てられない。 私は映画でした。 映画が好きだからで…

7万円の服を買ってクラクラしている

訃報を聞いて真っ先に思うことが、香典はいくら包めばいいだろう、であったのはおそらく恥ずべきことなのだろう。 故人は私にとって会社の上司にあたる。 私は、故人にはお世話になったと思う。 しかし悲しみはまだ感じることができないでいる。 訃報は突然…

「モノは最低限、幸せは最大限」を経済学で考える。ミニマリストは幸せか?

はじめに 効用について 限界効用逓減について 最適な消費量/限界効用は本当に逓減するのか? 効用の過大評価/効用を正しく評価できているか? ミニマリストになると幸せになれるのか? 最後に はじめに 昨今のミニマリストブームにより、「ミニマリストに…

「見放題」は実現しない

最近、オーディオブックの「audible」の広告をよく見ます。 定額制動画配信サービスに定額制音楽配信サービス、さらには定額制のオーディオブックサービス。そんなに消化できません。 見放題・聞き放題は無限ではない 見放題、聞き放題といったって、見たり…

物流の20年ー「サン宝石」から「Amazon Prime Now」まで

私と同世代の女性は、「サン宝石」をご存知の方も多いだろう。 初めて「通信販売で買物をする」という経験をしたのは小学生のときだ。 まだネットショッピングなどというものはなかった。 「サン宝石」は少女漫画やファッション雑誌によく広告が載っていて、…

「合理的」とは無駄を省くことではない。自分の幸せのために最適な道を選択することである。

私は自分の楽しみのためにブログを書いている。考えることや、文章を書くことが好きだ。 ブログを効率よく早く書くということはあまり考えない。趣味の時間だからだ。 人から見れば無駄にしか見えないようなことでも、自分にとって価値があればいい。 同じ会…

「厳選」したいのは「持ち物」ではなく、「何をするか」

大事にしたいのは、持ち物の厳選ではなく、資源をどう使うかの厳選。 限られた時間や、お金や、労力を、どこに注ぐか。経済的な節約ではなく、資源の最適な配分です。 知識を得ること、書くこと、考えること、好きなことをして過ごす時間。 これらは、美しい…

「やりたいことがない」ことに悩む、すべての方へ

たくさんのビジネス書や自己啓発本を読み、 その言葉に感銘を受け、 そして、 すぐに忘れた。 そしてまた別の本を読むのだ。何も変わらないまま。 自己啓発本に書かれていることなんてどれも似たようなものだ。 目新しいことなどは書かれていない。 知ってい…

ミニマリストになるまで

シンプルとかミニマムということを考えるようになったのは今から約7年前。 当時は「ミニマリスト」という言葉は知りませんでした。 「自分の部屋を快適にしたい」との思いで、様々なサイトや雑誌を見ましたが、気に入るものがない。 それどころか、自意識の…