「人生で稼げるお金は有限である」という言葉を何かで見た。
人が生涯で稼ぐお金は、厳密に決まっているわけではないけれどある程度決まっている。
すべての人に当てはまるものではないかもしれないが、わたしのような勤め人の場合、仮に定年まで続けるとして、「あと何回給料を受け取るか」ということを考えるとその感覚がよく分かる。
もちろん予想通りに行くわけではないが、とにかく「無尽蔵ではない」のである。
今は毎月給料が振り込まれるのが当たり前で、なんとなく「定期的に補充される」ような気分でいるけれど、それは永遠に続くわけではない。
「翌月のリセット」が効かない日がやってくるのだ。
「人生で稼げるお金は有限である」。
これはつまり何かと言うと、「だからお金を使うときはよく考えよう」という趣旨の戒めなのである。
この言葉を頭の片隅におくと、無駄遣いをしなくなる。というかできなくなる。
「将来の分を食いつぶしてはいけない」という意識が強くなるあまり、不要不急のものにお金を使うことを躊躇してしまうのだ。
もちろん不要なものにお金を使う必要などはないのだが、不要不急のものの中には、「絶対に必要というわけではないが、それがあることで生活に潤いが感じられる」というものが多く含まれる。
行きたい場所に行くこと。
見たいものを見ること。
食べたいものを食べること。
着たい服を着ること。
これらはどうしても「必要」というわけではないのだけれど、長い目で見ればとても大事なことである。
わたしはこの言葉に続きを足した。これでバランスがとても良くなった。
「人生で稼げるお金は有限である。そして人生もまた有限である。」
無駄遣いを楽しめるのも生きてるうちだけ。
まあでも、楽しんでいるのだったら無駄遣いというわけでもないのか。