食欲の秋・読書の秋にちなんで、食に関する本をご紹介します。
とても影響を受けた本です。
土井善晴さんの、「一汁一菜でよいという提案」。
もともと「粗食」とかシンプルで質素な食事に興味があったので、まさにぴったりの内容でした。
土井善晴さんといえば、わたしでも名前を聞いたことがあるくらい有名な方ですから、そんな方が「一汁一菜でよい」と提案してくれるのはとても心強い。
軽い気持ちでページをめくりはじめましたが、内容は「食べること」「生きること」の本質に迫るもので、読んでいて涙がにじむほどでした。
「時短」でもなく、とにかく「手をかける」のでもなく。
「一汁一菜でよい」というのは、「手抜きをしましょう」とか、「手を抜いてもいいよ」という話ではありませんでした。
品数が少ないことが「手抜き」なのではありません。
便利さや見栄えの良さにばかりとらわれて、食とちゃんと向き合っていないことの方が「手抜き」なのです。
「食事」とは、ただ食べることではなくて、「何を作ろうか考えて、材料をそろえて、調理をして、食べて、片付ける」、これらすべてが「食事」です。
載っている写真も、本当に「家庭のお味噌汁」。
レシピ本やインスタグラムにあるような、きれいな写真ではありません。
普段の食事とは、そういうものなのです。
食の本で、これほど琴線に触れる本は初めてでした。
自信をもっておすすめします。