使い切ることはモノを「活かす」こと、というのはよく聞く話ですが、
同時に、自分が「生きる」ことでもあるように感じます。
オリーブオイルもシャンプーも、使う人がいなければ減りません。
生きる、という表現は大げさかもしれませんが、
生きることは生活することです。
何かを使い切ったとき、特にそれが生活に必要な消耗品であるとき、それだけの月日を生きた、と言うことができます。
お徳用の大きな詰め替えパックを買うのは、使うと思っているからです。
これを使い切るまでの間、自分が生きていることを、疑っていないからです。
これって実はすごいことかもしれません。
私たちは、明るい未来を信じている。
病気や災害や戦争で食器洗いどころではなくなるような未来ではなく、
毎日料理をして、洗い物をする未来を確信しているのです。
使い切るのには時間がかかります。
日々すこしずつ減っていく日用消耗品は、生活の年月を物語っている。
食器を洗う洗剤がなくなったら、
「買いに行かなくちゃ」と思う前に、
「これだけ洗い物をした」ことに感慨を感じてみる。
そんな意識を持ってみるのも面白いと思います。
日常に目を向けることは、日用品にこだわるよりもずっと、日常を愛することだと思います。