最近読んだ本の紹介です。
ハイディ・グラント・ハルバーソンの「やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~」。
経験論や精神論ではない、まっとうな本だと思います。
「証明型」「習得型」という分類や、それぞれに効果的なアプローチなど、初めて知ることが多くて参考になりました。
本の中から、「意志力」についての部分を少し紹介します。
「意志力」とは
人が一日に決断できる量には限りがある、と言われますが、この「決断」に使っているのが「意志力」です。
意志力は「決断」だけでなく、「計画を立てる」ことや「何かを我慢する」ことでも、同じように使われます。
つまり、
「今日、どの服を着ていこうか選ぶ」
「メールがたくさん来ているので、どれから返信しようかと考える」
「ダイエットのためにチョコレートを我慢する」
といったことに、すべて意志力が使われ、使ったらその分減っていくのです。
意志力がなくなるとどうなる?
意志力は「自制心」とも言えます。
意志力がなくなる = 自制心を失う、と考えると分かりやすいと思います。
我慢しなければいけないチョコレートを食べてしまったり、いつもならやらないような衝動買いをしてしまったり。
では、どうすればいいのか?
禁煙や貯金やダイエットを成功させたい、
資格試験の勉強に取り組みたい、
仕事に集中したい、など、
自分にとって大事なことに「意志力」を使うためには、
・意志力を節約する(つまらないことで浪費しないようにする)
・意志力を鍛えて、増やす
という2つが有効です。
詳しいことは本に譲りますが、私が「なるほど!」と思ったテクニックをひとつだけ紹介します。
少ない努力で我慢できる方法
意志力を浪費しないためには、
「初めから手を出さない」ことです。
いったん始めてしまったことをやめるのは、最初から手を出さないよりも難しく、多くの自制心が必要になる
継続時間が長くなるほど、行動はやめにくくなります。たとえば、ポテトチップスを一口食べて残りを我慢するより、まったく手をつけないほうが我慢しやすいはずです。
「慣性の法則(いったん動き始めた物体はそのまま動き続けようとする)」は、人間の行動にもあてはまるのだそう。
いったん始めたことをやめるのは難しいから、最初から手を出さない。
たとえ強い意志でやめることに成功しても、そのためにたくさんの意志力を消耗してしまいます。
ポテトチップスの例で言うと、「袋を開けない」よりも一歩進んで、
「買わない」
「家に置いておかない」
「そもそもポテトチップスが売っているような場所に行かない」
ようにすればさらに有効だと思います。
(スーパーへ行く必要があっても、お菓子売り場へ行かない、ということはできますね)
お店で見た可愛い服や美味しそうなお菓子を我慢するよりも、お店に行かないことのほうが簡単なのです。
私の場合は、スマホやパソコンを触りだすとなかなかやめることができません。
ですが冷静になってみると、初めから触らないようにすることは、そんなに難しいことではありませんでした。
触り始めてしまうから、やめるのが難しくなるのです。
ちょっと息抜きしたいとき、ちょっと時間ができたとき、
「スマホの代わりに手に取るもの」や「行動」を決めておくといいかもしれません。