最近ハーブティーなど飲んでみている
コーヒーの強い味に慣れた舌には
ハーブティーの味というのはなんだがぼんやりして
どうもよくわからない
味も香りも
湯気とともにほとんど消え去ってしまう
さして美味いわけでもないが
まあこんなものか
今に始まったことではない
昔からずっと
ハーブティーなんていうのは
こんなものだ
なんとなくおしゃれで
体によさそうで
その実なんだかよく分からない味がする
それがハーブティーだ
ある日の仕事の合間
すっかり冷めきったハーブティーを
やっつけで口に運ぶと
美味しくて驚いた
ほとんど常温のハーブティーは
やさしく染みわたるような
まさにリラックスという感じの飲み物だった
淹れたばかりのときには雲散霧消していた味と香りは
冷めると再び戻ってくるらしい
飲み物には「おいしい温度」がある
熱いスープも
冷たい麦茶も
その美味しさは「温度」抜きには成り立たない
味覚はとてもあやうい
同じ飲み物でも
温度によって美味しくもイマイチにもなる
私にとってのハーブティーの「おいしい温度」は
意外にも常温だった
「常温」なんて
味を犠牲にして
美容健康のために仕方なく採用する温度だと思っていた
「常温」は妥協の温度ではない
これからは
「常温」もおいしい温度のひとつとして
意識してみようと思う